FXのロールオーバーとは、未決済のポジションを翌日以降に持ち越すことです。
これにより、ポジションを継続的に保有することが可能となります。

特にスワップ狙いの投資をする方は、いつ・どんな仕組みでロールオーバーされるか知っておくべきです。

この記事ではロールオーバーの意味や仕組み、タイミング、スワップポイントとの関係性を解説します。
ロールオーバーしたポジションの確定申告方法についても解説しますので、ぜひ参考にしてください。

ロールオーバーとは

FX取引では、原則2営業日後に必ず決済を行うというルールがあります。
例えば、米ドル円のロングポジションを保有している場合、2営業日以上保有するためには、一度ポジションを決済してから、再度注文し直さなければいけません。

しかし、同じポジションを保有するのに、わざわざ注文し直すのは大変です。
そこで、FX業者がトレーダーの代わりにロールオーバーの手続きを行っています。
これにより、トレーダーが注文をし直さなくても継続的にポジションを保有できるようになりました。

ロールオーバーは国内外問わず、どのFX業者でも行っている仕組みです。
そのため、FXトレーダーが希望した期間ポジションを保有し続けられています。
FX取引で長期保有するために、ロールオーバーは欠かせない役割をになっているのです。

ロールオーバーの仕組み

FXの外国為替市場では、スポット取引（直物取引）とフォワード取引（先物取引」の2種類があります。

• スポット取引（直物取引）：
  現時点で所有している通貨の交換を行う
• フォワード取引（先物取引）：
  将来的に通貨の交換を行う

スポット取引（直物取引）では、原則2営業日後に必ずポジションを決済をしなければいけません。
しかし、ロールオーバーを利用することで、未決済のまま2営業日移行でもポジションを持ち越せます。
受け渡しによる決済期限を気にする必要もなく、好きなだけポジションを保有できます。

また、外国為替証拠金取引の場合、決済が完了するまで自動的にロールオーバーが繰り返されます。
ロールオーバーは長期投資をメインに行いたい人に向いている仕組みです。

ロールオーバーのタイミング

ロールオーバーは、ニューヨーク市場クローズ時点で行われます。
日本時間で言うと午前7時（サマータイム時は午前6時）です。

サマータイムとは、夏の時期に1時間進めた時刻を使う制度です。
例えば、当社GEMFOREXの場合は、以下のように取引時間が変更されます。

• 冬時間（11月第1日曜日〜3月第1日曜日）：
  月曜7:10〜土曜6:50
• 夏時間（3月第2日曜日〜11月第1日曜日）：
  月曜6:10〜土曜5:50

なお、日本時間の深夜24時〜午前7時までに成立した取引は「前日の取引」、午前7時以降に成立した取引は「当日の取引」として扱います。

ロールオーバーとスワップポイントの関係

未決済のポジションを保有したままロールオーバーした場合には翌営業日にスワップポイントが付与されます。

スワップポイントとは、金利が異なる2つの通貨間の金利差調整分のことです。
各通貨ペアの2つの通貨の金利差によってスワップポイントが計算されます。

スワップがプラスなら、ロールオーバーした翌営業日にスワップポイントが得られ、スワップがマイナスなら、スワップポイントを支払うことになります。
たとえ、同じ通貨ペアのポジションを保有していたとしても、金利の変動によってスワップがプラスからマイナスに変わる可能性もあるので、注意が必要です。

ロールオーバーしたポジションの確定申告方法

FX取引において未決済ポジションは、確定申告の対象になりません。
ただし、ロールオーバーをして得たスワップポイントは、確定申告の対象です。

例えば、米ドル円のロングポジションを保有しており、10万円の含み益、毎日100円のスワップポイントが発生しているとします。
このとき、含み益である10万円は確定申告の対象になりませんが、100円のスワップポイントについては確定申告の対象となります。